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CREEKS創業5周年インタビュー

『個人個人が自分らしい暮らし方、働き方をすれば社会が変わる』

投稿日:2020.01.26

代表取締役古後(左)と取締役広瀬(右) 2014年頃

2019年12月に創業5周年を迎えたCREEKS。コワーキングスペースからスタートし、クラウドファンディングサイトの運営やリノベーション事業などさまざま分野の活動をおこなっている中で、2020年以降はどのような景色を見据えているのか。CREEKSのこれまでの歩みと今後の展望について、代表取締役古後と取締役広瀬による対談をインタビュー形式でお届けします。

CREEKSのこれまでの歩み

――2014年に長野市のコワーキングスペースとしてオープンした〈CREEKS 〉。オープンした当初の様子を聞かせていただけますか?

古後「最初はコワーキングスペースとして利用してもらう他に、起業したい向けのイベントやママのためのビジネス相談会などを開くことから始めました。私自身が既存の枠にはまらない働き方に興味があったので、それを共有できる場になればいいなと思っていました」

広瀬「フリーランスやスモールビジネスをしている人が集まって、お互いにつながることで新しい仕事が生まれる場があったらいいなという思いを持って始めました。実際に東京ではそういった動きが活発で、長野市にも同じような場所を作りたくて。しかし想定していたほど新たなビジネスが生まれたわけではなく、地方で事業として続けるには違ったアプローチが必要だという課題も見つかったんです」

――何か転機になる出来事はあったのでしょうか?

古後「創業の翌年2015年に、行政よりクラウドファンディングの活用と拡大に関する全県事業を受託したんです。県の大きな事業として県内のあちこちへ行かなくてはいけないので、上田市のHahalab.さんや松本市のKnowersさんなど、他のコワーキングスペースと協力しておこなったのですが、とても刺激的で大きな学びになった経験でした。

行政の事業は1年間の契約で受けたものでしたけど、我々の実績を知ったいくつかの金融機関から『自分たちでクラウドファンディングを作りたい』と業務提携の相談が来たんです。そこから長野県信用組合(けんしん)とCCC(TSUTAYA)グループの株式会社ワンモア、CREEKSが連携してクラウドファンディングサイト〈Show Boat〉を立ち上げるに至りました。」

広瀬「県から依頼を受けた4~5年前は、まだクラウドファンディングというものが浸透していなかったけど、今や普通に聞くようになりましたよね。

CREEKSという社名は『小川』という言葉から来ているんですが、人を小さな川に例えて、1人1人が集まって大きな流れを作り、港から世界へ発進していくというのが立ち上げ時のコンセプト。〈Show Boat〉は、まさに全く違うスキルを持った3社が集まって生まれた新しい流れと言えます。
ちなみに、CCC(TSUTAYA)グループの株式会社ワンモアの社長は、世界にも通じるとても有能な方だけど、見た目はキャップかぶった若いお兄ちゃんという感じなんですよ(笑)。その姿で長野県信用組合の本社に行って、カチッとしたスーツ姿の理事長と並んで記者会見したのは印象的でしたね(笑)」

クラウドファンディングによって生まれた感謝の循環

――〈Show Boat〉では「長野から世界へ出航!」のコンセプトを掲げ、食やアート、社会貢献などさまざまなジャンルのプロジェクトが立ち上がっていますね。

古後「軽井沢にジャムで有名な『沢屋』ってありますよね。沢屋のジャムに使われる果物は、全て手作業で皮むきや種取り、カットなどをしているそうなんですが、数多くの工程を行うために地域活動支援センター(通称:ちかつ)の方たちの力が大きなサポートになっているんです。障がいを持つ彼らは、時にじっとしていられなかったり、大きな声を出してしまったりすることがあるために公共交通機関の利用が難しく、出かけたくても諦めるケースが多いそうです。そこで沢屋が立ち上げたのが『「ちかつ」の皆さんを観光列車「ろくもん」に乗せて『善光寺の初詣』に連れていきたい。』プロジェクト。見事に成功して皆さんとても喜んでいました」

沢屋 プロジェクト

Show Boat プロジェクト(沢屋ジャム)

▼プロジェクト詳細はこちら▼
https://greenfunding.jp/showboat/projects/2469?utm_medium=GREENFUNDING&utm_source=Portal

広瀬「〈Show Boat〉を運営して感じるのが『自分も何かの形で貢献したい』と思ってくれている方が意外と多いということ。支援してくれた方も普段から商品の利用者だったり、きっかけさえあれば行動したいと考えている人だったり。そういう意味でいい循環が生まれる場になっていますね」

――沢屋のジャムは何度も買っていたのに、成り立ちについて全然知りませんでした。プロジェクトを立ち上げた方も、さまざまな人が支援してくれたという事実が目で見てわかるのは嬉しいでしょうね。

古後「もう1つ嬉しかったのが、猫の去勢手術のプロジェクトを立ち上げた方たちの言葉。猫たちを守るために日々現場で活動する彼らは、捨てられたかわいそうな子猫に胸を痛めたり、シビアな問題に向き合い続けなくてはなりません。気持ちが落ち込んでしまうこともあるなかで、今回クラウドファンディングを立ち上げ、広く知ってもらうための工夫やリターンとして喜んでもらえるアイテムの知恵を出した経験が、とてもポジティブな試みで楽しかったと言ってくださったんです。

CREEKSのタグラインが『地域から社会を変えよう、行動する人の集まる港』なんですが、社会を変えると聞くと大ごとだと思われるかもしれないけど、私自身はそれを大変なことだと捉えたくなくて。

プロジェクトを通して新たな価値観を知り、1人1人が今できる範囲の行動を起こす。その小さな1歩の輪が広がれば結果的に変わっていく、と考えています」

リノベーション×街づくり事業

――クラウドファンディング事業は行政の依頼がきっかけとのことでしたが、行政からのお仕事は他にもあるんですか?

広瀬「今おこなっている飯綱町の廃校リノベーションは、行政から依頼を受け、3年の期間をかけた大きなプロジェクトです。もともとはコンサルティングの依頼だったのが、我々が設計もできるということで設計監理にも携わることになりました。

CRIF施工事例 リノベーションマンション

CREEKSとリファーレ総合計画で運営しているリノベーションチーム〈CRIF 〉の事業にも通じるんですが、近年リノベーションがクローズアップされている中で、建築家の側から見ても箱だけ作ればいいという考えでは成り立たないことは明白なんですよ。まず中身。コンテンツがあってそこに合わせてリノベーションし、コストを抑える、というのが重要になっています。

仮に喫茶店をやるとして、箱だけデザインして渡されても、モチベーションは上がらないですよね。誰がやるか、そして自分ごとであることが大切。逆を言うと、情熱を持った誰かがいれば地方のどこでやってもいい。CREEKSを始めた当初の考えについて、フリーランスやスモールビジネスをしている人同士が、つながることで新しい仕事を生みたいと言いましたが、地方の場合はもっと違う属性の人が集まった方がいろいろな変化が起きやすい

コワーキングやクラウドファンディングの事業を通してつながりや知識を得たことで、設計と合わせて中身のコンサルティングに活かせるのは我々の強みだし、ひとつの理想的な流れだと思っています。
2019年には、県立大学や経営者協会、東京の大手企業と共に我々が理事を務める〈一般社団法人長野ITコラボレーションプラットフォーム・ニコラップ〉も設立されました。我々がやりたかったことをさらに規模を拡大しておこなえるようになるし、今までITと関係ないと思われていた分野の地域の企業にも、ITを取り入れることでさらに発展できるような提案をして地方を盛り上げていけると考えています。」

古後「我々はCREEKSを『ビジネスプラットフォーム』と定義しています。行政や金融機関、ベンチャー企業など、このエリアを変えていきたいと思っている人たちが参加し、つながりを作っていくことで地方を変えるきっかけになれば嬉しいです」

若いうちから色んな仕事観に触れるために、変な大人に関わりにきてほしいね(笑)

――さまざまジャンルの人同士がつながる場所と言えば、コワーキングスペースの1階にある〈tsunaguno〉は25歳以下の方に無料開放していますよね。

tusnagno

古後「〈tsunaguno〉は、学生さんたちが社会を垣間見られる場として活用してもらいたいと考えています。ここでビジネスをしている人たちの会話、仕事スタイルなどを肌で感じて、学校の授業で教わる関係とは違う形で何か得てもらえればいいな、と。」

広瀬「実は学生さんが働き方を直接見られる機会ってほとんどありません。親や学校の先生、アルバイトをしていればその職場で出会う人など狭い範囲に限られがちです。数少ない知っている働き方の中から『自分が理想とする働き方は?』と聞かれたって困ってしまいますよね(笑)うちの娘は、学生時代のアルバイト先でたまたま尊敬できる先輩に出会い、大学の内定を蹴ってその会社に就職を決めたんです。働き方って身近な大人から受ける影響がとても大きいからこそ、面白そうに仕事しているプロとの出会いって本当に大切。〈tsunaguno〉で、若い人に変な大人と話す機会を持ってもらえたら嬉しいですね(笑)」

究極の個人主義が世界を平和にする?

――地域から社会を変えるというコンセプトを持たれていますが、今の社会に対して感じていることはありますか?

古後「例えば多様性の問題。1歩間違うとマイノリティー対マジョリティーのような構図になって、場面によってあっち側とこっち側って分かれてしまいます。でも本当は1人1人違って線引きなんかできません。昔と比べれば増えていますが、地方の女性起業家はまだまだ少ないので『女性の権利、地位向上を訴えましょう!』みたいな運動などで、働く女性の代表のように意見を求められることも多いんです。けれど、私自身そういう考え方もあまりピンとこなくて。
『あなたもこう思うでしょ?』って言われても『そう?』って思ってしまうんです(笑)」

広瀬「言葉が難しいんだけど、古後は究極の個人主義なんだよね(笑)あなたはそう考えるんだ、私はこう思うよ、という1人1人の違いをはっきり認めていて、まず自分でできることを頑張るのがベースにあるよね」

古後「確かに『これが当たり前だ』という言葉は苦手(笑)私は学生時代から理系にいて、周囲がほとんど男性だったので逆に男女差別というものがありませんでした。建築という専門職に進んでからは、単純に個人の行動や結果を見てもらえる環境だったので、女性だから社会的に地位が低く見られるという発想自体がなかったのかもしれません。

私は今シングルマザーなのですが、長野に嫁いだとき、相手の両親が女性が稼ぐことへの強い抵抗や、女性は家庭のためにキャリアを諦めて当然という前提を持っていることにカルチャーショックを受けました。努力したけれど、結果としてお互いの気持ちをわかち合うことは叶いませんでした。だからこそ事業を通して、お互いが自分らしさを認めて、当たり前を押しつけなくてもいい社会を作れたらなって。共感できなかったとしても、相手を理解し合うことはできるはず。

そういう意味で嬉しかったのが、事業を通して『社会とはこうあるべきだ』と訴えたいと考えていた方が、CREEKSが企画した起業家プログラムを受けて『べき』の殻がやぶれたと言ってくれたこと。『どうしてやりたいのか、なぜそう思うのか』を掘り下げていくうちに、自分が大切にしたい思いと向き合えたようで、すごくいい表情に変わっていたんです」

大切なのは『自分の思い通りに生活している』自覚を持つこと

広瀬「僕はさっき『超個人主義』という表現をしたけど、これをどうか能力主義や勝ち負けを助長する世界と誤解しないでほしいですね。起業家の集まりに行けばすごい人はいっぱいいるし、同じようにやれば成功する!と言われることもあるかもしれません。ただそれで苦しくなる人や、地方で同じやり方が難しい場合だってあります。僕が伝えたいのは、事業をがんばって背負うとかではなく、普通にサラリーマンをするのであっても『自分らしい働き方』はできるということ。自分が何を大切にしているかを見直して『自分の思い通りに生活している』という自覚を持てば、今いる場所で幸せを感じられるんじゃないかと。」

古後「誰かと比べて自信を持てないのは、『こうならなきゃいけない』というのがどこかであったり、誰かが作った『こうじゃなきゃいけない』に自分を無理にあてはめしまって苦しいからだと思います。こうじゃなきゃいけないというのは幻で、自分で作っていいんです。『当たり前がないとすればどうしたい?』と自分に聞いて、実際に行動してみるということが健全におこなえるといいですよね」

5周年を迎えたCREEKS。今後の展開とは

――1人1人が自分を徹底的に知り、自分らしいやり方で社会に活かすことが大切なのかもしれませんね。最後にここまで読んでくださった方々にお知らせしておきたいことなどはありますか?

広瀬「この5年間であらゆる分野の方とのつながりが増えて事業が拡大しました。さらに大きくしていくにあたって、いっしょに働く仲間を増やしたいと考えてます。もちろん人数が多ければいいというわけではありません。今もプロジェクトに応じてフリーランスの方が入ったりしていますが、まず社内で強いチームを作り、その熱量で周りを巻き込んでいきたいですね。」

古後「さまざま事業を通して次々やりたいことが出てくるので、言動がコロコロ変わっているように見られるかもしれませんが(笑)『地域から社会を変える』『自分らしく暮らす働き方』という根本的な想いはずっと変わりません。今後会社大きくすることで、おこなえる事業の規模やインパクトも大きくなります。行動してみないと見えない世界があるので、成長や変化を楽しめる仲間を増やしたいですね。すごく具体的なことを言えば、プロジェクト管理をできる人とか?(笑)」

 

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