ハコを作るだけで終わらせない。長野市のリノベーションチーム「CRIF」の活動
〜自分らしい人生を創りたいと考えている人たちのため〜
投稿日:2019.09.10
自分らしく暮らせる家づくりのために、中古物件のリノベーションを選択する人が増えています。近年では、リノベーションを施した賃貸物件を専門に扱うサイトも人気です。
「CRIF」は、長野市で空き家や空きビルの利活用のために設計、施工、運営管理などをシームレスにおこなう専門家チームです。今あるものに新しい価値を与えることは、結果として周辺エリアの価値を上げることにつながると考え、リノベーションの本格普及を目指しています。
■リノベーション ✕ まちづくり構想
CRIFは建物調査、企画設計、デザイン、施工、運営管理までをワンストップで行うリノベーションチームとして長野市で活動しています。設計部分を担うのは、一級建築士の古後理栄さんと広瀬毅さん。長く設計デザインに関わってきた2人は、西後町のコワーキングスペースを運営する株式会社CREEKSの代表でもあります。
現在、CREEKSでは飯綱町にある廃校のリノベーション設計を進めています。児童数の減少、市町村の合併などで全国的に増えている廃校を有効活用することは、今や地域だけでなく国をあげての課題です。この活動には、メンバーがこれまで街づくり・仕事づくりに関わってきたノウハウが活かされています。
さらに2019年、中央通りで10年以上空き店舗になっていた場所をリノベーションし「シソーラスオフィス」がオープン。もともとコワーキングスペースCREEKSを利用していた会員さんだったこともあり、「長野市、中心市街地が活性化してほしい」という想いで、拠点づくりをCRIFがお手伝いするに至りました。シソーラスさんとは、一緒に「信州ITバレー構想」「nocollap」など、今後⻑野を活性化していくための取り組みを進めている最中です。
■自分らしく暮らし、自分らしく働くために
CRIFの取り組みは、単なるハコづくりでは終わりません。一般的なリノベーション会社は、建物の施工が完了すれば仕事は終わりです。けれど引き渡したあとからそこで暮らす人、働く人の生活は続いていきます。
CRIFは借主や買主の紹介、運営サポートまでおこないます。ここまでできるのは、長野市の活性化に携わってきた経験豊富なメンバーが集うチームだから。
他にも、持ち主が活用に悩む遊休不動産を、コンバージョンによって収益性がある物件に生まれ変わらせ、さらに長野で創業、起業を考えている人とマッチングさせるなど、専門家によるサポート業務は多様です。
リノベーションでは、既にある建物を活用するにあたって
「構造は大丈夫?」
「工事費はどのくらい?」
「デザインは誰に頼めばいいの?」
「リフォーム業者ではデザインが…」
など、頭を悩ませることは多いはず。不動産、設計、施工にはそれぞれ専門家のスキルが問われます。複数の会社に依頼するとなれば、ひとつひとつ信頼できるところを探し、業務のやり取りを重ねて…煩わしさやコスト高が気になりますよね。
今後ますます増えていく空き家や空きビルは、活用に関する法規制はめまぐるしく変わっています。時代の変化にきちんと対応するためにも、専門家の知識は欠かせません。
社会の変化に伴うニーズに合わせ、リノベーションで自分らしい暮らしを実現させたい人、不動産活用を考えている人の良き伴走者として幅広く活動をおこなっています。
■CRIFメンバーが手がける未来展開型の場所作り
CRIFのメンバーは、株式会社CREEKSの代表である古後理栄さんと広瀬毅さん。
そして、東町の「SHINKOJI」内でリファーレ総合計画を運営している寺久保尚哉さん。寺久保さんは、大手デベロッパー出身で言わば不動産のプロです。さらに寺久保さんとは旧知の仲で、施工のプロである遠西克晢さんを加え、不動産運営、デザイン、施工などの垣根を超えてシームレスな対応をおこなっています。
CRIFが始まる以前から、メンバーはそれぞれまちづくりに関わってきました。
寺久保さんは、まちなか再生事業や物件売買など、不動産にまつわる会社・リファーレ総合計画を運営。大手建設会社で開発に携わっていた経験を持ち、これまでに古いホテルを改修後に別の運営会社へ取次いだり、貸せる状態にするためにいくかかかるか、改修の費用対効果のバランスを考えたりと、マーケット感覚も活かした仕事をしてきました。
リファーレ総合計画のオフィスは自身がオーナーを務める「SHINKOJI CAFE」内にある
さらにNPO法人長野門前創造会議を仲間たちと立ち上げ、2007年にかつて赴任した金沢のNPOと協力し、まち歩き小冊子『まちるん』を発行。北陸新幹線で金沢ー東京間が繋がった際、長野も通ることを伝えるために金沢と連携し、相互PRに尽力しました。このNPOの活動は、現在では長野門前大学というかたちで、門前の歴史や文化と伝え、人々を繋ぐ役割を担っています。
古後さん、広瀬さんが代表を務めるCREEKSは、異業種・異世代のコラボレーションをサポートするコワーキングスペースとして運営をスタートしました。2016年からは若者のためのフリースペース「tsunaguno」を運営、さらに長野に特化したクラウドファンディングプラットフォーム「Showboat」を立ち上げました。CREEKSへは地元の若者や起業家も訪れており、情報交換や新たな仕事の展開をつなぐ拠点になっています。
■CRIFのリノベーション事例
CRIFが掲げているのは「新たな暮らしを創造し」「付加価値を加え」「自分らしく」「未来志向の住まいをつくる」こと。
戸建住宅や分譲マンション、店舗にリノベーションで新たな価値を創造します。また、空きビルや空き店舗、元社員寮など遊休不動産になっている建物の可能性を最大限に生かせる再生利活用の提案もいたします。リノベーション、シェアビジネスに関して豊富な経験と知識がありますので、収益性を高めるための用途変更(コンバージョン)といったご相談もお任せください。
もともと社宅だった建物を大胆にリノベーションし、分譲マンションに
既存の建物の利活用には、建物の状態を正確に把握し、コストコントロールなど複雑な条件への対応が必要になります。設計や施工だけでなく、CRIFは不動産取引の分野でも経験豊富な専門家を有しているため、柔軟な対応と革新的な利活用の提案が可能なんです。
リノベーションは既在の建物があることで、お客様が理想とする未来を具体的にイメージしやすく、自分らしい暮らしを叶える近道になります。お客様との双方向のコミュニケーションによって、多様なライフスタイルに対応し、それぞれの個性に沿ったデザインの住まいを作り上げることがモットーです。
リノベーションの設計施工だけでなく、住まい探しやローン手続きの第一歩もCRIFがサポートしています。
もとは半屋外のサンルームだった場所を、ピアノコーナーに
CREEKSが入るビル自体も、広瀬さんの設計により大胆なリノベーションが実現した建物です。現在求められる価値に合わせて1~2階をテナントとして利用、3階をコワーキングスペース、4~5階を都市型賃貸共同住宅としており、10年以上空室が出ていない優良不動産となっています。
持続可能なまちづくりは、そこで暮らす人、働く人がいなければ成り立ちません。自分らしい人生を創りたいと考えている人たちのために、CREEKS、そしてCRIFの活動はこれからも続いていきます。
CRIF https://crif.jp