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【イベントレポート】ゆるふわ思考実験

投稿日:2020.08.04

7月22日、tsunagno で『ゆるふわ思考実験』というイベントを開催しました!

「そもそも『思考実験』って何?」と思われる方も多いと思いますが、簡単に言えば、「頭の中で行う実験」のことです。実際には試せない、試そうとも思わないような非現実的な状況を想定して考えをめぐらせることで、現実世界に関わる物事の本質に迫ることができる面白さがあります。響きはややかたく、難しそうですが、実はそんなことはありません。誰でも、自由に考えることができます。特に哲学的思考実験には決まった答えがあるわけではないので、どこまで考え深めることができるかがポイントです。

 

今までは思考実験の本を買って、思考実験のお題とひとりで向き合って楽しんできましたが、これをいろんな人と一緒にやればもっと面白いんじゃないかと思い、イベントとしてやってみることにしました!今回は、私と同じアルバイトスタッフの学生とその友人、飛び込みで学生1名、社会人1名の計4名の方が参加しに来てくださいました。

 

今回は以下の5つの思考実験のお題について、参加者のみなさんと議論しながら考え深めていきました。

どのお題についても、参加者のみなさんが様々な視点からいろんな考えを出してくれて、議論がとても盛り上がりました!特に印象的だった2つのお題について簡単に紹介していきます。

 

①「自分」を決めるのは脳?体?

もし、誰かと体が入れ替わってしまい、体は他人なのに中身は自分ということが起きたとしたら、周りの人たちはどちらを「自分」だと判断するのかということについてみんなで考えていきました。もし自分の家族が他の誰かと入れ替わってしまった場合、双子が入れ替わった場合、80歳のおじいちゃんと女子高生が入れ替わった場合など、人と人の関係性をいろいろ変えて話してみると考え方や見方が膨らんでいきました。もし家族などの親密な関係性の人が他の誰かと入れ替わってしまったら、見た目よりも中身を優先させるという意見が多かったです。私も同感です。親しい人なら、その人の内面から「その人らしさ」が分かるからです。でも社会がそれを認めてくれるかというとなかなか難しい問題で、社会が個人を特定する方法の多くは、顔写真や指紋や網膜など、身体の情報に頼っています。内面にある「自分らしさ」だけでは、親しい人には通用しても、社会にはなかなか通用しないんだなと気づきました。

AさんとBさんが入れ替わったら、どちらがA、どちらがBという問題ではなく、Cという新しい人間になる(AでもBでもなくなる)のではないかという、参加者の方が出してくれた考えには思わず大きく頷いてしまいました。精神と身体は別物であるという心身二元論の考え方がこのお題の前提になっているのですが、その前提を疑えるまで議論できて良かったなと思います。

 

②「人を食べてまで生き延びるべきか?」

何人かの人たちが海で漂流して食糧もない、死が迫っている極限状態において、全員が死ぬか、誰か一人を犠牲にしてでもその人を食べることによって生き延びるべきか、という問題です。これも自分がどの立場に立つかによって参加者のみなさんの考えも大きく変わりました。もし自分が漂流している当事者だったら、人を食べてまで生き延びたいとは思わないという人が多かったです。ところが、もし家族など、自分の大切な人が同じ状況にあったとしたら、人を食べてもでもとにかく生き延びてほしいと思わずにはいられなくなりました。でももし、漂流している人全員が自分の大切な人なら、誰にも犠牲になってほしくないと思うはずです。全員に生き延びてほしい、でも生き延びるためには誰かが犠牲にならないといけないという究極的なジレンマが生まれます。こんな酷なことは誰も試したくないですよね。だから思考実験なのです。でも実は、このお題は昔本当にあった出来事をもとにつくられたお題なのですが。。。

今回、私自身初めて思考実験をグループでやってみて、改めて思考実験の面白さを味わうことができました。非現実的で、極端な状況だからこそ、自分の価値観、自分が何を本当に大切にしているのかが浮かび上がってくるのだと思います。ただ、「絶対これが一番大切!」などと思っていても、状況や立場、人との関係性が変われば、案外簡単に考えや気持ちって変わるものだと思います。一貫性がない、一貫していられないというのもまた人間らしさなのかなと、思考実験を通して感じさせられました。

 

参加者のみなさんに思考実験の面白さを味わってほしいと願って今回のイベントを企画しましたが、参加者のみなさんが本当に様々な視点から自由に考えを出してくれて、議論が盛り上がり、イベントホストである私自身、とても楽しむことができました!参加者のみなさんにも楽しんでいただけたようで何より嬉しいです。

参加者のみなさん、本当にありがとうございました!

 

~ライター アルバイトスタッフ 大内~
宮城県松島生まれ。
英語教育を学んでいる大学院生です。
最近のおうち時間では、『進撃の巨人』を観て心が乱され、お香を焚いてリラックスするということを繰り返しています。

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