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【イベントレポート】コミュニティカフェ 旅の断面 club

~ジンバブエで見たこと~

投稿日:2019.11.08

9 月にアフリカに行ってきたことを報告するイベントを開催しました。 改めて、今回アフリカに行ってきた経緯を記しておきます。


私は現在、工学部建築学科の4年で、佐倉研究室 ( https://shinshu-sakura-labo.com ) に所属しています。主に都市計画を専門とする研究室で、長野をフィールドに実践的な研究 を行なっています。これまで蔑ろにされてきたまち・ひとの要素に焦点を当て、資源の循環 を生みながら地域住民を繋げる試みをしています。

同時に、世界の都市形成やまちづくりの先進事例を調査・分析し、また現地コミュニティ に参加し、文化や課題を読み解きながら建築するプロジェクトも進行しています。
その一つがアフリカ、ジンバブエで十分な食事が与えられない子どもたちのための孤児院の 建設プロジェクトです。現地の住宅や公共施設の建てられ方から新たな工法を模索し、施設 を設計します。施工も、地域住民や現地の学生を巻き込みながらどのように進めていくか計 画中です。(Harare Child Care Center〈以下、HC3〉プロジェクト)
今回はこのプロジェクトの現地調査や先進事例の見学のためにアフリカに赴きました。 アフリカについて何も知らなかったので、場当たり的に行ったような気もします。

近代化するアフリカ

現地に着いて驚いたのは、自分が思っていたよりずっと中心市街地の近代化が進んでい たことです。レンガ造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建物が混在し、アスファルトで舗 装された広い道路が街を貫いていました。車道は中古の日本車が多く走り、道沿いは人で 溢れ、大きな賑わいを見せていました。

Art gallery から通りを見る

市内の様子についての話が続きます。建築を学んでいるからか、街を構成する多くのモノ・コトが目に止まっては過ぎていきます。それに呼応するように街を切り取った写真が淡々と流れ、その光景を撮影した時何を感じたのか、どう考えるのか話し続けます。

市内には印象的なモダンな建築物が多く建 っています。特に立体駐車場に続くスロープ は非常に美しかった(右写真)。かつて植民地 だった国では、海外建築家の挑戦的な設計が 現れている建物が見られますが、これもその 一つでしょうか。高層の建物群の中に低層の マーケットなどが入り込み、飲食店や家具店、 さらにオンライン決済の専門店が軒を連ねていました。
ジンバブエはスーパーインフレによって経 済が崩壊寸前であり、現地の貨幣が価値をほ とんど持ちません。米ドルはレートが安定し ていますが、政府によって使用が禁止されて いるために、支払いが容易な携帯電話端末に よる決済サービスが普及しています(ECOCASH といいます、空港での登録に苦戦していました)。

失業率も非常に高く、公務員であっても給料 が支払われないこともあるのだとか … 道端で飲食物やスナック、古本などを売る人 が非常に多く見られました。現地での移動はほ とんどタクシーだったのですが、信号で停まる と必ず車の列の中に歩き売りの若者たちが流れ 込んできます。アジア人が乗っていると気づく と、窓ガラス越しに激しく商品を勧めてきます。

ジンバブエの国民性などはありますか」
という質問がありました。
彼らはとても真面目で、プライドが高い。
訪れる者は誰であっても受け入れ、笑顔を向ける優しさを持っています。
だから、人に対してモノを媚びたりしません。
自ら働き、稼いでその日の暮らしをしています。

広がる貧富の差

プロジェクト敷地から周辺集落を見る

市内を離れ、HC3 プロジェクトの敷地である Hatcliffe へは車で 40 分ほどかかります。 建物が少なくなり、徐々に農地が広がり、さらに幹線道路を走って、舗装されていない赤い 土が剥き出した道を進んだ先に敷地はあります。緩い起伏のある赤い大地に低所得者たちが 小さな家を建設し、作物や家畜を育てたり、国内外に出稼ぎをして生計を立てています。

近隣の住民と話すと、みんなから仕事をくれないかと尋ねられます。私たちがどれだけ コミュニティに入っていき、彼らのためになる設計をし、将来施設が完成したとしても、彼らが求めているのは今日、明日を生きていくための働き口であり、お金であり、食事である のだと思い知らされました。

敷地近くにあるマーケット

日本にいると明日どうやりくりして生きていこうなんて深刻に考えなくても生きている恵まれた環境にめちゃくちゃ甘えて生活している。

そのような状況でも私たちに笑顔を向けてくれた彼らの生き抜く強さに胸が滲みて少し痛かった。その時何も力になれなかった自分がいたことを忘れないようにしたいです。


市内のスラムにあるマーケットがかなりディープでした。黒魔術の材料を売っていたり、 見たことのない芋虫を乾燥させたものやバオバブの実が並んでいたり … 売り手の適当さがまた良くて、現地の暮らしを支える母親のような雰囲気がありました。

即物的でとてもいい空間でした。コンクリートとアスベストシートの射体が並び、その軒下と通路に簡易的な台と商品がぎっしり詰まっていて、布やボール紙によって軒が延長されて強い日射を遮っています。そこを行き交う大人と子どもたちによって一つの家のような空間が作り出されていました。貴重品や携帯電話を出しているとスられるかもしれない危険な場所でもありますが、また買い物したいです。




ライター アルバイト staff 青島

最近ハマっているのはチャイです

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