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廃校をリノベーション!〜旧牟礼西小学校ストーリー その1〜

CREEKSが手掛ける廃校有効活用事業

投稿日:2020.07.07

飯綱町の旧牟礼西小学校(改装前)

上水内郡飯綱町で今年6月に施設の一部がオープンし、話題となっている「いいづなコネクトW E S T」。ここは廃校になった小学校をリノベーションした施設で、校舎の活用方法の検討から企画、設計監理まで、私たちCREEKSがトータルに受託しています。今回からシリーズで、この「廃校有効活用事業」についてご紹介していきます!

CREEKSのリノベーション

株式会社CREEKSは建築設計を仕事としているメンバーがスタートさせた会社です。「新しい暮らし方・働き方」を提案する中で、それを実現する場所・建物も同時に考えてきました。特に社会課題となっている、「空き家・空きビル」の活用に向けたリノベーションを中心に活動しています。

自然豊かな飯綱町の風景

飯綱町で廃校活用

私たちは平成30年から飯綱町で廃校となった小学校を活用するお手伝いをしています。

飯綱町は長野市の北隣に位置する人口約1万人の町で、平成17年に旧牟礼村と旧三水村が合併して誕生しました。霊仙寺湖を中心とした「飯綱東高原」をはじめ、自然豊かで魅力的な地域なのですが、少子高齢化による人口減により、平成30年、4つあった小学校が2校に統合され、2校が廃校となりました。

つまり、人口約1万人の小さな町に二つの大きな空きビルが出現したことになります。これを新たな形で有効活用していくのはかなりハードルの高い事業です。取り壊しや、行政機関としての再活用などの選択肢もあったと思いますが、飯綱町は将来に夢を託し、廃校を事業活用して持続可能な町の発展を目指す、と決めました。そしてその事業を担う町づくり会社を民間企業として設立することを促し、行政から自立して事業を起こしていくことになったのです。

特徴ある旧牟礼西小学校の建物

持続可能な事業をつくる

私たちが活用のお手伝いをしているのは、廃校となった2校のうち、旧牟礼村にあった「旧牟礼西小学校」。長野市の中心部から車で20分と、比較的都市部への利便性の高い場所にあります。各学年1クラスだったので校舎自体はコンパクトではありますが、この町では工場などを除けば最大規模の建物になります。
さて、どうすればここで持続可能な事業をつくっていくことができるでしょうか?
私たちがまず考えたのは

  1. 小さな事業を組み合わせて持続可能な仕組みをつくる
  2. 都市部との良好な関係を結び、関係人口を増やし、移住・定住に結びつける

ということです。この町の特性・市場規模から考えて、観光などで大きな事業をここに落とし込むことは難しいと考えたのです。そこで「町民が集い、日常的に活用できる施設(小さな事業)で賑わいをつくり、そこに都市部からの人を呼び込む仕掛けを組み合わせることで関係づくりをする」ことを計画の方針としました。

6月にオープンしたカフェは町内外の人が利用し、好調なスタート

私たちはこの町の資産(今町には何があり、何が足りないか)を調査するとともに、都市部の企業の動向に大きな知見を持つ「株式会社森ビル」に協力を仰ぎ、ニーズ調査を実施しました。しかし昨今は多くの自治体で企業誘致を行っていることもあり、ヒアリングをした企業からの反応は「この町では私たちの事業にどんなメリットが提供されるのか?」という厳しいものばかり。つまり単に自然豊かな場所、というだけではどこも動いてくれそうにないということでした。

都市部からの関係人口をふやしていきたい

プロサッカーチームが活用する!

そんな中、施設の活用に大きなメリットを与えてくれる変化がありました。プロサッカーチーム「AC長野パルセイロ(以後パルセイロ)」がグラウンド活用に前向きに取り組んでくれることになったのです。平成31年2月には町とパルセイロが包括連携協定を締結。町がグラウンドを人工芝で整備し、パルセイロがチームの練習場やジュニアサッカースクールの開催場所として活用することになりました。

人工芝での整備が終わったグラウンド。正式名称は「いいづなパルセイロフィールド」に(AC長野パルセイロ HPより)

テーマは「自然・スポーツ・健康」

パルセイロの参画をきっかけに、事業は大きく展開しました。「豊かな自然」に「サッカー(スポーツ)」が加わり、それを利用者の「健康づくり」につなげていくことになり、施設のテーマを「自然・スポーツ・健康」と決定しました。

(H30年度飯綱町自然の中の暮らし魅力創造発信事業における拠点施設整備業務報告書より)

私たちはテーマに沿って施設の活用方法の検討を始めました。まず施設を大きく4つのゾーン「コミュニティーゾーン」「スポーツ・健康ゾーン」「業務ゾーン」「宿泊ゾーン」に分け、それぞれが小さな事業の拠点として活用できるように計画した上で、「自然・スポーツ・健康」のテーマに関連づけていきました。そして各ゾーンごとに、利用者の属性に応じた利用方法や、町内の他の施設との連携について、様々な可能性を広げるアイデアを出し、それらの組み合わせで相乗効果を発揮できるよう、施設に反映させていきました。

運営会社が発足し、一部がオープン

そして昨年5月にこの施設を運営するまちづくり会社「カンマッセいいづな」が発足。施設名も「いいづなコネクトWEST」と決まり、今年6月に「コミュニティゾーン」など一部の施設がオープンしました。町民からの評判も上々で、大きな話題になりつつあります。

施設の4つのゾーンの具体的活用方法は次回、「〜旧牟礼西小学校ストーリー その2〜」でご紹介します。

 

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